代表的な製造工程を動画でご案内いたします。
打ち抜かれた刀身を硬くするために、電気炉の中で1,050℃以上の高温に熱する。温度に達した包丁を冷却することで、包丁の硬度を高めることが出来る。その後、組織を安定化させ、耐摩耗性を高めるために、200℃の温度で焼き戻しを行う。
包丁が食材に切り込みやすくなるために、刀身を粗い砥石の研削機で刃元から刃先に向かって削り上げる。その後、刀身を美しく仕上げるために、目の細かい研削機で刀身の表面を磨く。磨き上げられた刀身はよごれが付着しにくい。
刀身と柄をつなぐ桂を付けることでよごれがたまりにくく衛生的になる。溶接でつなげた刀身と桂の焼け焦げた部分を手作業で磨き上げる。つなぎ目をなだらかにすることで柄が握りやすくなる。
粗刃付けで刃厚を薄くし、食材への切り込みが軽くなるようにする。さらに仕上げ刃付けで刃先を鏡面に仕上げることで刃先と食材の抵抗を減らす。硬度の高い材料を目の細かい砥石で仕上げるため、砥石に刃をあてる力の加減が難しく、職人の技が活きる工程となる。
刃付けをすると刃先の先端に金属がけば立ったような「かえり」が残る。この「かえり」を皮にあてて飛ばすことで、刃先を滑らかな形状に仕上げる。
包丁の切れ味を数値化し品質の管理をする。一定荷重を包丁に加え紙を切り、切れた紙の枚数を基準枚数と比較し刃先状態を確認する。
柄に使用する積層強化木は水に強く、耐久性にも優れており調理に適している。3本の鋲で柄を刀身に組み付ける。
包丁をにぎった時に手になじむように、組みつけた柄と刀身との段差を磨いて平らにする作業。丁寧に角を取りながら、きれいな曲面に仕上げる。
職人が仕上げた刀身を定量的に測定する。包丁に最適な刃先の角度や形状に仕上がったか、測定顕微鏡などを使用し確認していく。測定データは、さらなる「切れ味の良い刃物」の研究に応用し、職人の技をより高めるためることにも活用している。
和包丁の刀身を形作る工程。刀鍛冶の技を今に受け継ぐ、日本古来の技法。鋼を熱し、ハンマーでたたいて伸ばしていく作業。ハンマーでたたくことで金属組織が微細化され、より硬い刀身に仕上げることができる。