下村工業のものづくり

-Manufacturing of Shimomura Industrial-
合言葉は「失敗していい、まずはやってみる」
ヒット商品を生み出すものづくりの現場を徹底解明!

チャレンジ精神を発揮しヒット商品を生み出す。

140年以上続く三条刃物鍛冶をルーツに持つ「下村工業」は、今では当たり前になったステンレス製包丁を業界に先駆けてつくり、またプラスチックの成形技術によりキッチン便利グッズを次々に開発。刃物や金属製品などのものづくりで有名な燕三条で、企画・設計・製造までを自社で一貫して行っている地場を代表するメーカーです。

そんな当社が次の挑戦の舞台として選んだのは、「今までにない業務用包丁」の開発です!

MISSION
安全で疲れにくい業務用包丁の開発!

下村工業の新しい挑戦とは、ずばり、国内最大級のフードサービスの展示会「国際ホテル・レストランショー」に初出展し、新製品の業務用包丁「龍治 RYUJI」を世に出すことです。「国際ホテル・レストランショー」は、食材、調理器具、厨房設備など「食」のあらゆる業務用品が集まる商談展示会。これまでも下村工業は家庭用・業務用問わず多くの包丁を製造してきましたが、今回の「龍治 RYUJI」はより業務用に特化した製品になります。

PROCESS 01

情報を集めて、製品の基本プランを考案

開発の流れとして、まず営業は、問屋さんへの聞き取りや既存品のリサーチなどで情報を集め、製品の基本プランを考案。その後、設計を担当する技術課との打ち合わせで具体的な仕様を詰めていきます。さらにパッケージやチラシを考えたり、予算やスケジュールを管理したりと開発全体に関わっていくのも重要な仕事の一つです。

開発会議での1コマ。営業部のイメージをカタチにするべく、技術課とともに細かく仕様を詰めていきます。

PROCESS 02

設計図を作成し、3Dプリンタで試作品をつくる

続いては技術課。営業との打ち合わせを基に設計図を作成し、3Dプリンタで試作品をつくる。ハンドルの太さやカーブの具合がほんの少し違うだけで、握りやすさや手へのフィット感、重さの感じ方が変わってきます。他部署の社員やパートの女性にも実際に持ってもらって意見を聞き、何度も微調整を重ねていきます。

こちらが3Dプリンタで忠実に再現された試作品です!設計の微調整を繰り返しながら、何度もチェックを行います。

PROCESS 03

形状が決まると、自社工場でプラスチックを成型

下村工業には、今回の包丁のように金属部分とプラスチックを一体成形する「インサート成形」と、プラスチックだけを金型に流し込んで成形する「射出成形」があります。今回の場合は、刃を研ぐ前の包丁を金型にセットして、ドロドロに溶かしたプラスチックの材料を流し込んでつくります。これらの加工を担当するのが化成部です。

金型に樹脂を注入し、金属部分とプラスチックを一体化させる「インサート成形」。ハンドル部分が樹脂を固めて作ったプラスチックです。

PROCESS 04

包丁に命を吹き込む「水砥本刃付け」

最後は、包丁部が「水砥本刃付け」という仕上げの作業を担当。包丁の先端部分を高速回転する砥石に当て、水を流しながら刃を研ぎ上げていく工程です。微妙な指先の感覚を頼りに、1本ずつすばやく正確に仕上げます。本刃付けした包丁は、切れ味や刃角度検査、3D形状測定など厳しい品質検査をクリアしたものだけが出荷されます。

切れ味の鋭い刃にするため。1本1本手作業で研ぎ上げていきます。

こうして安全で疲れにくい業務用包丁「龍治 RYUJI」が完成!

7色展開のハンドルが「龍治 RYUJI」の特徴。いろいろな食材を扱うプロの調理現場で、肉、魚、野菜などと食材別に包丁を使い分けることで衛生面に配慮しています。

長時間持っても疲れにくいハンドルの形状や、包丁の自重で食材を切りやすい絶妙な重量感にもこだわりました。

最初の企画から、設計、製造まで一貫体制で対応できる下村工業だからこそ、スピード感のあるものづくりができる環境が整っています。